パスワードレス認証
できること
パスワード不要のログイン
パスワードを使わずに安全で便利な認証を実現します。
パスワード管理の手間をなくし、フィッシング攻撃にも強いセキュリティを提供します。
4つのパスワードレス方式
1. 生体認証(FIDO2/WebAuthn)
指紋・顔認証でワンタッチログイン
- スマートフォン、PCの生体認証機能を利用
- ブラウザ標準対応(Chrome、Safari、Edge等)
- 秘密鍵がデバイス外に出ないので安全
2. セキュリティキー
USBキー等の物理デバイスでログイン
- YubiKey等のハードウェアキー
- 企業や高セキュリティ環境に最適
- 紛失リスクに対応したバックアップが必要
3. Passkey(デバイス間同期)
iPhoneで登録した認証情報をMacでも使える
- Apple、Google等のクラウドで同期
- デバイス紛失時も他のデバイスでログイン可能
- デバイス間の移行が簡単
4. モバイルアプリ承認(FIDO UAF + CIBA)
PCでログイン開始、スマホで生体認証して承認
- 消費デバイス(PC)と認証デバイス(スマホ)を分離
- プッシュ通知でスマホに承認リクエスト
- スマホで生体認証して承認
- 銀行の高額送金等に最適
フィッシング耐性
ドメイン検証により、偽サイトでは認証不可
- 認証器が登録時のドメインを記録
- ログイン時にドメインを自動検証
- フィッシングサイトでは認証が拒否される
段階的な導入
パスワード認証からの移行を段階的に実施できます。
- Phase 1: パスワード + パスワードレス(選択可能)
- Phase 2: パスワードレス推奨、パスワードはフォールバック
- Phase 3: パスワードレスのみ(完全移行)
導入時に 決めること
1. どのパスワードレス方式を使うか
| 選択肢 | 説明 | 向いているケース |
|---|---|---|
| 生体認証(FIDO2) | 指紋・顔認証、ブラウザ標準対応 | 一般消費者向けサービス |
| セキュリティキー | USBキー等の物理デバイス | 企業、高セキュリティ環境 |
| Passkey | デバイス間同期可能な生体認証 | Apple/Google環境のユーザー |
| モバイル承認(FIDO UAF + CIBA) | PCログインをスマホで承認 | 銀行、決済の高額取引 |
idp-serverでの設定:
- 認証ポリシーでFIDO2/CIBA認証を有効化
- 認証器の種類(プラットフォーム/外部キー)を設定
2. パスワードとの併用をどうするか
| 選択肢 | 説明 | 移行シナリオ |
|---|---|---|
| パスワードレスのみ | パスワード認証を廃止 | 最終形態 |
| パスワードレス推奨 | パスワードレスを優先表示、パスワードも可 | 移行期 |
| ユーザーが選択 | 両方並列で提供 | 導入初期 |
idp-serverでの設定:
- 認証ポリシーで利用可能な方式の組み合わせを定義
- UIでの表示順序を設定
3. デバイス登録をどう管理するか
3-1. デバイス登録前の事前認証
| 選択肢 | 説明 | 向いているケース |
|---|---|---|
| パスワード認証 | パスワードで本人確認してから登録 | 初回登録時の基本パターン |
| MFA | パスワード + SMS/メールで確認してから登録 | 高セキュリティ要件 |
| 既存デバイスで認証 | 登録済みデバイスで認証してから新デバイス登録 | 2台目以降の追加 |
| 身元確認必須 | eKYC完了ユーザーのみ登録可能 | 金融サービス |
idp-serverでの設定:
- デバイス登録時の認証ポリシーを設定
- 登録後の身元確認の必須化の有無
3-2. デバイス登録の管理
| 決めること | 選択肢の例 |
|---|---|
| 登録可能台数 | 無制限、3台まで、5台まで |
| デバイス削除 | いつでも可能、管理者承認必要 |
| 紛失時の対応 | バックアップデバイス必須、管理者がリセット |
idp-serverでの設定:
- デバイス登録ポリシーで台数制限を設定
4. モバイル承認(FIDO UAF + CIBA)の設定
| 決めること | 選択肢の例 |
|---|---|
| 通知方法 | プッシュ通知(FCM/APNS) |
| 承認タイムアウト | 1分、3分、5分 |
idp-serverでの設定:
- プッシュ通知サービス(FCM/APNS)との連携
- タイムアウト、メッセージテンプレート設定
まとめ
パスワードレス認証を導入する際の重要なポイント:
必ず決めること
- パスワードレス方式: FIDO2、セキュリティキー、Passkey、FIDO UAF + CIBA
- パスワードとの併用: パスワードレスのみ、推奨、選択式
- デバイス登録前の事前認証: パスワード、MFA、既存デバイス、身元確認必須
- デバイス登録管理: 登録可能台数、削除可否、紛失時の対応
- モバイル承認設定: 通知方法、タイムアウト(CIBA利用時)
idp-serverが提供すること
- FIDO2/WebAuthn標準準拠の実装
- Passkey対応
- FIDO UAF + CIBA連携
- デバイス登録ポリシー管理
- プッシュ通知連携(FCM/APNS)
- フィッシング耐性(ドメイン検証)
自分で実装すること
- パスワードレス認証画面(UI)
- デバイス登録画面(UI)
- デバイス管理画面(登録済みデバイス一覧、削除)
- モバイル承認画 面(CIBA利用時)
セキュリティの注意点
- デバイス登録はアカウント乗っ取りの危険が高い: 登録前の事前認証を強化する(MFA、既存デバイス、身元確認等)
- デバイス紛失に備えて、複数デバイス登録またはバックアップ手段を推奨
- パスワードレスのみにする場合、リカバリー手段を必ず用意する
- Passkeyはクラウド同期なので、クラウドアカウント乗っ取りリスクに注意
テンプレートで試す
ローカル環境ですぐに試せるテンプレートが用意されています。
cd config/templates/use-cases/passwordless-fido2
./setup.sh
セットアップ後の動作確認は VERIFY.md を参照してください。
詳細: config/templates/use-cases/passwordless-fido2/
関連ドキュメント
最終更新: 2026-01-27